想像以上の強さだ。久し振りに手合わせたトワは相変わらず強かった。
僕はあれから修行の旅に出ていた。女でありながら圧倒的な強さを誇るトワを超える為に。
トワとの二人旅、確かに僕達で世界を救った。僕が努力しても何時も美味しい所をトワが持って行く。
トワはそれ程の強さだ。何せトワとの一騎討ちで僕は手も足も出なかった。
何しろ全力を出したトワの前に僕は掲げる正義論を語る事しか出来なかった。
其れでも光と黄昏の大戦は暁の聖王国の勝利に終わった。其の全貌はこうだ。
僕に止めを刺そうとした途端、トワは突如剣を地面に置いた。そしてトワはこう言ったのだ。
……何じゃろうか、其方と戦っておると何だか心が突き動かされるような感じがするのう……。
此の戦いを始めた時からずっとじゃ。恋煩いでは無い何かが妾に訴えかけておるような……!
そう言えば妾が用を足しておる時、其方は拭く物を貸してくれたのう。
敵で有りながら妾に優しく接してくれた。其れにある日を境に同胞が誰一人殺されておらん。
勇者よ。此の戦争、其方は何を考えておる?何を企んでおる? ……其れは光と黄昏の共存かのう?
……妾とて心の底で思うておった。光と黄昏は孰れ分かち合える事をのう。
妾は目の前の覇道に囚われすぎて忘れておった。人間が斯うも素晴らしく偉大である種族である事を。
妾の心に鎖されておった覇道と言う呪縛を其方は知らぬ内に解き放っておったのか……。
どうやら妾には其方の様な純粋で優しい心と博愛が欠如しておったようじゃ……!
勇者の武器は剣と魔法だけでは無かったようじゃ。もう一つの武器……、「心」と言う訳じゃな。
そんな正義論を語れる男を殺すには勿体無い。どうやら此の戦争は……、妾の負けじゃ。
勇者ヒカリよ、其方の勝ちじゃ。もう妾に其方と戦う気力は……、残っておらん。

其の言葉を呟きながらトワは僕の前に立ち尽くしていた。当然僕はそんな勝利は望んでいなかった。
こんな……、理不尽な勝利があってたまるか!!!僕は君を殺しに此処まで来たんだ!!
君はどれだけ多くの命を奪って嗤った!!世界を絶望させて嗤った!!死んで命を償うんだ!!
其れなのに……、君だけは……、殺さなければ……、いけないのに……!!如何して……!!
何で僕は……、君を殺せないんだ!!!魔王トワ!!!!!

……何故勇者が泣くのじゃ。勇者は決して涙を見せてはいけないと学んだじゃろう?
人間とは不憫じゃのう。悲しみや美しい物に涙を流す唯一の存在と聞いておったが……。
……何じゃ。妾の目から何かが流れて……、此れが……、涙……じゃと?
何故止まらないのじゃ……!魔王である妾が……、勇者如きに……、涙を見せるなど……!!

軈てトワは嗚咽を上げて泣き崩れた。其の嗚咽と慟哭は自身の犯した過ちを贖うかの如く。
其れと同時に戦場に雨が降り始めた。通り雨だろう。其の雨は悲しみの象徴なのか。
泣き崩れているトワの顔を見て僕は少し後悔した。トワは魔王とは言え在り来たりな乙女。
トワの言う通り勇者は決して涙を見せてはいけない。剣を教えてくれた老師が僕に教えてくれた掟だ。
僕は此の冒険の中で多くを失った。同志の戦士達や王国の人々に王様、そして常に前線で戦ってくれた聖王。
其の命を容赦無く奪ったのが目の前で泣き崩れている魔王であるのは事実だ。
トワの綺麗で美しくも悲しげな泣き顔を見て僕も思わず声を上げて泣いていた。涙で視界が薄れる程泣いた。
トワ……、もう泣かないで……!君の綺麗で美しい顔がグチャグチャになってしまう……!
君が背負う咎を僕も一緒に背負ってあげるから……!だから泣かないでよトワ……!!

斯うして光と黄昏の戦争が終わったのだった。僕は戦いに疲れたのか雨の中、慟哭の中、深い眠りに就いた。

どれだけ眠っていたのだろうか。僕が目を覚ますと太陽が昇っていた。久し振りに見る太陽だ。
何せ戦争が始まってからずっと空が赫い闇で染まっていたんだ。空には虹が架かっている。
傷だらけの身体は何時の間にか癒えていた。流血も治まっている。雨に濡れた服も乾いている。
そう言えば眠っている間に身体が燃えるような感覚がしたような……。
どうやらトワが僕の傷を癒してくれたらしい。トワは泣き疲れたのか僕の横で眠っている。
其れでも目から涙が流れ続けている。一体どんな夢を見ているのだろう。
眼帯を外したトワの寝顔はこんなにも美しいのか……。魔王と言えども可愛らしい一面を見せている。
長く果てない戦争の終焉を告げる朝焼けの中、僕は此れ迄の戦いを振り返っていた。
神の啓示を受けた日の事。生まれ育った村を旅立った事。多くの仲間と出会い、絆を深めた事。
王都にて聖王と出会い、騎士団に入団した日の事。初めての戦場で敵の大将を討った事。
仲間達で巨大なドラゴンを退治した事。燃え盛る王城で初めてトワと対峙した時の事。
其の王城で共に戦った仲間や王が僕の目の前でトワに殺された事。王の葬列にて僕の無力さを悔やんだ事。
トワを倒す為の光の翼を授かった事。そして光と黄昏の戦争。多くの命がトワの焔に因って失われた。
僕にとってトワは斃さねばいけない怨敵だった。何せ世界の絶望の元凶なのだから。
然し僕はとある遺跡で世界の真実を知った。嘗て光と黄昏の一族は共存していたと言う事実を。
其の真実を知った僕は思った。若しかすると黄昏の一族と和解が出来るのではないかと。
だから僕は魔王との和解の道を選んだ。黄昏の一族と言え人間。人類同士で争うのは間違っている。
此の戦争は人類同士の争い。全滅での終結では駄目なんだ。光と黄昏は再び手を取り合う冪なんだ。
トワの思想は間違っているんだ。だから僕はトワを殺さない。トワを闇から救う為に僕は戦うんだ。
其の結果が此れだ。僕の作戦は成功した。然し其の犠牲として一人の魔王を泣かせてしまった。
僕が求めていた世界、其れは光と黄昏が共存する平和な世界。此の世界の本来の在り方なんだ。
此の戦いを振り返っている間にトワは目を覚ましていた。そしてトワは僕にこう言った。
……起きておったか勇者よ。昨日の出来事を振り返っておったのかのう?
大声を上げて泣いたのは初めてじゃ。どうやら妾には悲しみに因る感情が欠如しておった。
其方が殺したのは妾ではなく妾の間違った思想と覇道の呪縛だったと言う訳じゃな。
妾が疾うの昔に失っておった物を其方の心で取り戻すとは此れぞ勇者の発想じゃ。
此れからは美しくも輝かしき此の世界の秩序を守っていこうと思うておる。
安心せい。昨日までの妾はもう死んだ。然し、今まで妾が犯した無数の咎を贖わねばのう。
暁の人達は赦してくれないじゃろうかのう?其れだけが心配じゃ。

心配ないさ。だって君は良い人なんだ。此の世界の秩序を守りさえすれば其の罪は晴れるよ。
此れからは人の為に成る事を僕と一緒にやっていこう。例えば君が燃やした城の復興とか……。
僕の傷を癒してくれた黒い焔だって君が破壊した自然や生命を元に戻したり出来るだろう?
君の力も正しい使い道で使えば世界の為に成る。創造と破壊は表裏一体って老師が言ってたんだ。
だからトワ、僕と一緒に君の罪を償う旅に出よう!どんな事が有っても僕が護ってあげるから!!
改めて……、初めまして!魔王トワ、いや、黄昏トワ!!

……本当に其方は勇者の鑑じゃな。昨日まで敵じゃった妾に手を差し伸べるとはのう……。
昨日の敵は今日の友とはこう言う事じゃな。そう言う其方を……妾は気に入ったぞよ!!



初めてトワが笑った。其の笑顔は僕が今まで見て来た笑顔の中で最も明るかった。
世界を絶望させての嘲嗤では無い。本当に嬉しい時や喜んでいる時の笑顔だ。
トワの笑顔を見て思わず僕も笑顔で答えてしまった。魔王でも笑うと可愛いんだな。

此れが僕とトワの出会いだった。光と黄昏、其れは決して交わる事の無い宿命の暗示。
永遠に繰り返す朝と夜の如く決して相見えぬ世界。其の二つの国が今一つとなった。
其の特異点に於いて起きるのは戦争では無く、約束された永遠の平和だと言う事を。
その後、僕はトワと共に罪を贖う為の長い旅に出た。滅びかけた世界を元通りにする為に。
そして現在、僕は黄昏トワと戦っている。嘗ての、魔王としての黄昏トワと。
荒野に燃え盛る黒い焔。トワの魔剣、クリム=レーヴァ。どれも懐かしく感じる。
圧倒的な強さだ。其れでも僕は強くなったんだ。より強力な魔法も使えるようになったんだ。
軈てトワは全力を出してきた。今までの僕ならば正義論を語る事しか出来なかった。
然し今では通用しない。何せ此の戦いは最終決戦での一騎討ちの続きとも言える手合わせだ。
其れでも僕は立ち向かった。無意識の内に僕はトワを殺す心算で剣を振るっていた。
当然トワも同様だった。軈てトワの魔剣は僕の喉元を抑え付けた。此の勝負は……、僕の負けだ。
やっぱり……、トワには敵わないや。僕はあれから随分と強くなった筈なのに……。
いや、互角じゃ。勇者よ、随分と強くなったのう。此れなら邪神コビッドにも勝てるじゃろうのう。
其れに妾も更なる強さを求めておる。鍛えておるのは其方だけと思うておったかのう?
妾は異界の他の魔王と戦って強くなっておる。其れでも妾と互角に戦えるとは凄いぞよ。
若しかすると其方は妾を超える強さを持っておるかもしれんのう。其れでも終焉には敵わぬがのう。

中々やるじゃねぇか勇者。只の餓鬼だと思っていたがこんなに強いとはな……。
次は俺の番だ……と言いたい所だが、今はてめぇを殺す訳にはいかねぇ。運が良かったな。

勘弁して下さい!
冗談じゃ。其方が死ねば地球は救えぬぞよ。其れに手合わせだけで此処に来た訳では無いぞえ?
今日から妾の城に住む其方へのサプライズじゃ。南の空を見ると良い。

……わぁ、綺麗な星空!そう言えば闇の世界は光が少ないから星空が見え易いんだっけ。
僕にこんな綺麗な景色を見せる為にこんな所まで……。

其れだけじゃねぇ。此処でバーベキューをしに来たんだ。星空の下でのバーベキューも乙じゃねぇ。
今日俺が狩って来た魔獣の肉も其の為に誂えた。勿論野菜と米も用意してある。

妾と其方の手合わせの合間に終焉が準備しておった。此れが其方の入居祝いじゃ。
身体も存分に動かした故に腹も空いておるじゃろう。沢山食べて力を付けるのじゃ。
……其の前にちと焔を使い過ぎた故かおしっこがしたくなった。勇者も一緒にどうじゃ?
満天の星空の下で一緒に用を足すと言うのも悪く無かろう?嗚呼、漏れそうじゃ。

結構です……、と言いたい所だけど僕も少し催して来たかも……。悪いけど僕も……!
……相変わらず羞恥心の無ぇ奴だ。勇者と魔王二人、少し騒がしくなりそうだな。

手合わせの後、僕はトワの車の陰の草叢で用を足している。そして僕の横でトワが屈んで用を足している。
……一杯出るぞよ。並んで用を足すのも久しぶりじゃな。其方と戦っておると急にあの頃を思い出してのう。
忘れてはおらんじゃろう、妾が初めて其方に出逢った時の事じゃ。場所は確か……、

クローディア王国だっけ。覚えているさ、君と僕が初めて刃を交えた場所。あの時僕は何も出来なかった。
そして僕は此処で何もかも失った。仲間も王様も護れなかった。僕が弱すぎた所為で国も滅びたんだ。
其れでも君は何故か僕だけは殺さなかった。其れは僕の心の強さを君が認めたからだろう?
まぁ、其の後僕も隠れて涙が涸れるまで泣いたけどね。大事な仲間や護るべき人が死ねば当然悲しいさ。
老師も言ってた。人の死は悲哀の集大成だって。流石の僕だって心も折れるよ。例え勇者で在れとも。
立ち直るにも果てしない時間が掛かったさ。何よりも当時の僕は君を強く憎んでいた。
其れに対して君はクローディア王国の滅ぶ様を見て嗤ってたね。其の頃の君は一番魔王らしかったよ。

当然じゃ、妾はダスクの魔王ぞ。妾はダスク史で魔王として最も相応しいと謳われておった所存じゃ。
妾とて今でも悪の美徳を僅かながら持ち合わせておるぞえ。即ち魔王とは美学じゃ。
其れにクローディアで其方を殺さなかったのは其方の勇者としての美学を確かめる為の余興じゃ。
人間は心を攻めれば脆い物じゃ。感情を持ち合わせておる故に涙をも流す不憫な種族じゃ。
嘗ての妾には負の感情を持ち合わせてはおらん。……其方との最終決戦まではのう。
其の戦いで妾は悟ったのじゃ。脆い心こそが勇者の本当の武器だと言う事をのう。
妾が不要じゃと思うておった人間の最も脆い感情と言う武器に屈するなど皮肉な物じゃ。
勇者よ、其方は決して消えない咎を背負っておる。……言わずとも判るじゃろう?
……今、其方の横で用を足しておる麗しき乙女を泣かせた罪じゃ。

魔王が涙を見せるなんて思わなかったんだ。僕にとって魔王は誰もが悪い人だって印象だったんだ。
でも君と初めて出会って思ったんだ。何か大きな闇を抱えているかのような感じがしたんだ。
何かに囚われているかのような感じがした。だから僕は君を大きな闇の底から助けなきゃって。
其れでも君はクローディアを滅ぼした。和解なんか到底不可能な程に思わせるかのように。
立ち直ってからは君を助ける為に全力を尽くしたさ。だけど其の途中で君は暁の聖王国に戦争を仕掛けた。
敵も味方も次々死んでいった。其れでも僕は諦めなかった。そして僕は世界の真実を知ったんだ。
光と黄昏は嘗て共存していたって事を。其の事実を知ってこれしかないって思ったんだ。
だから僕は此の先、敵味方誰一人死なさずに戦争を終わらようと決意したんだ。
そして君との最後の戦い。あの激闘は今でも思い出すよ。正直和解出来るかも心配だったんだ。
正面から君と戦えば今日の手合わせみたいに負けてただろう、と言うより死んでたと思う。
でも君を闇から救い出す事が出来て本当に良かった。そして君は嗚咽を上げて泣いたんだ。

……其方はずっと妾を闇から救おうと思うておったのか。其れも初めて出会ったあの時からのう……。
妾が魔王となった日じゃ。先代魔王の意思を継いで妾は魔王となった。
先代魔王の覇道とは圧倒的な支配力と破壊力と混沌を望んでおった。其の先代魔王こそが……

此の俺だ。……て言うかてめぇ等小便如きでどれだけ時間を掛けてんだ。早く戻れ、直に肉が焼ける。

先代魔王とは言え俺はずっと深淵の世界に鎖されていた。此処に居れば外には出れねぇからな。
ダスクの魔王、言い換えれば俺の分身だ。此奴以外のダスクの魔王は誰も彼も役に立たなかった。
だが黄昏は違う。此奴はダスクの魔王として最も相応しい。何せ俺と同じ血が流れてんだ。
要は俺と黄昏は……、血の繋がった兄妹だ。言ったろう、俺達は二人で一つの魔王だと。

きょ……、兄妹?!だからトワはこんなに強かったんだ……!!負けて納得が付くよ。
だがてめぇは大きな過ちを犯した。てめぇは俺と黄昏を繋ぐ鎖を断ち切りやがった。
其の結果黄昏は勇者と和解した。有ろう事かてめぇは黄昏を誘拐し、旅に出た。
更にてめぇはダスク魔王国を暁の聖王国と併合させた。其の事実は俺も知らなかったがな。
此の顛末は俺が望んじゃいねぇ事態だ。だから俺は邪悪な混沌を産み出し、世界を蹂躙した。
俺の計画を邪魔する勇者を殺す為、そして黄昏を勇者から救い出す為にな。
だが、てめぇ等は其の混沌を打ち砕きやがった。いや、黄昏が更に強くなる為の試練か。
つまりだ勇者、てめぇはずっと俺の掌の上で踊らされてた訳だ。其れでも俺に逆らえるか?
……無理だろうな。圧倒的な力の前では弱者は慄く事しか出来ねぇ。憎悪さえ抱けねぇ程にな。
仮にあの戦争で黄昏を追い詰めていれば俺がてめぇの前に来て殺してただろうな。

数奇な運命とは言え今の俺は黄昏のお陰で正しい道に進むようになった。運が良かったと思え。
……皮肉にも俺が殺そうとした勇者が斯うして世界を救う為の切り札になるとはな。

……流石に僕でも君には逆らえないや。トワの陰にこんな恐ろしい男がいたなんて……。
やっぱり僕のやってきた事は正しかったんだね。抑々君と同じ土俵に立てる気がしないや……。

運命とはそんなもんじゃ。若し其方が妾を倒しておれば終焉に殺されておったかも知れんぞよ。
そうであれば今の其方は此処で肉を食べておらんじゃろう。二人で邪神コビッドと戦っておった所じゃ。
運命は妾でも自在に決められん。妾があの時泣いたのも運命だったかもしれんのう……。
じゃが、次に其方と戦う邪神は地球の運命を思うが儘に決めておる。戦いの勝敗も此奴次第じゃ。
三人掛かりでも激しい戦いになるじゃろう。バーベキューは其の為の験担ぎじゃ。
沢山食べて力を付けるのじゃ。其れにしても此の肉は柔らかくて美味しいのう。

……確かに星空の下で食べる食事は一段と美味しいや。こう言う粋な歓迎も聖王と会った時以来かな。
此れからも二人に迷惑をかけるかもしれないけど一緒に頑張りましょう! ……あ、流れ星だ!!

おお、流れ星じゃな。其れも沢山流れておる。流星群じゃな!……何を願おうかのう?

斯うして僕は二人の魔王と共に地球を蝕む邪神と戦う事になった。
長く果てない戦いの序幕、果たして僕達は地球を邪神の手から救えるだろうか……。
ヤミが言うには此処は流星の丘と呼ばれているらしい。闇の世界随一の流星群の名所だとか。
此処で願いを唱えると必ず其の願いは叶うらしい。僕達は地球から邪神が消える事を願った。
そしてもう一つ、僕の帰りを待つ妻のエリーと何時までも幸せで居られる事を願った。
エリーのお腹の中には新しい生命が芽生えている。僕には生きてエリーの下に帰って来る使命がある。
若し此の戦いが終わったら、トワと一緒に新しく生まれる命を紹介したいと思う。