破壊光線とギガインパクトを覚えるポケモンについて
第二版


破壊光線。ノーマルタイプの特殊技。威力150、命中率90、PPは5。
強い光線を相手に発射して攻撃する。次のターンは動けない。
技マシン15を使う事で覚えられる。英語名:Hyper Beam


ポケモンキッズを唸らせる浪漫技、破壊光線。威力は大きいが次のターン、動けなくなる。
アルセウスからコロトックまで、最終進化系であれば誰でも覚えられるのがこの技の特徴だ。
だが、廃人の間ではあまり使われなかったりする。…ポリゴンZを例外として。

そもそも破壊光線とは?


第1世代(赤・緑)から登場。
タマムシシティのロケットゲームコーナーにてコイン5500枚で交換可能。
初代の破壊光線はこの技で止めを刺した場合に反動を受けないという恐ろしい性能を持っていた。
当初、主にケンタロスがこの技を使っていた。何故ならば当時の破壊光線は物理技だからだ。
ノーマルタイプであり攻撃力の高いケンタロスが最もこの技を使いこなしていたと言えよう。
実際、1997年の全国大会で決勝出場者15名のうち13名がケンタロスを使っていた。
更に1998年の全国大会では決勝出場者全員がケンタロスを使っていた。
このことから、初代ポケモンでケンタロスが猛威を奮っていたことが分かる。
これが初代ポケモンの破壊光線の恐ろしさである。しかしこの技は金銀で弱体化する。
それから時は流れ2006年、ポケットモンスターダイヤモンド・パールが発売。
技ごとに物理・特殊・変化に分類され、破壊光線は特殊技となった。
また、この世代で物理版破壊光線が登場。その名はギガインパクト。
この技もまた、最終進化系のポケモンだけが使う事を許される。
つまり、破壊光線を覚えられるポケモンはギガインパクトも覚えられる、ということだ。
更にケンタロスに代わり、この世代出身のポリゴンZがこの技を使いこなす。
ノーマルタイプであり、特攻種族値135。特性の「てきおうりょく」により更に威力は増す。
その破壊力はXYが発売された現在でも特殊火力1位の座に立っている。
更にXYではノーマルタイプの技に属性を付加させるスキン特性が登場。
ニンフィア、アマルルガ、メガサーナイトが破壊光線をタイプ一致で放てるようになった。

破壊光線と無進化ポケモンの関係


破壊光線は最終進化系だけが使う事が許される技である。
だが、最終進化系だけがこの技を使える訳ではない。無進化のポケモンも使えるのだ。
尤も、一部の無進化ポケモンだけがこの技を使う事を許されるが。

初代ポケモンにおける無進化ポケモンは以下の通り。
フリーザーやミュウツー等の伝説、準伝説ポケモンは基本覚えられるので除外。
カモネギ、イワーク、サワムラー、エビワラー、ベロリンガ、ラッキー、モンジャラ、ガルーラ
バリヤード、ストライク、ルージュラ、エレブー、ブーバー、カイロス、ケンタロス、ラプラス
メタモン、ポリゴン、プテラ、カビゴン
その中で覚えられないのはカモネギ、イワーク、サワムラー、エビワラーの4体。
メタモンも破壊光線を覚えないがそもそもこいつは技マシンが使えない。
つまり20体の無進化ポケモンの4分の3が破壊光線を覚える、と言う事である。
特にイワークはポケモンスタジアムの選ばれし40体に選ばれながらも覚えることができず。
尤も、イワークは金銀でハガネールに進化できたが。勿論ハガネールは破壊光線を習得可能。

続いて第2世代の無進化ポケモンを挙げる。
ウソッキー、エイパム、ヤンヤンマ、ヤミカラス、ムウマ、アンノーン、ソーナンス、キリンリキ
ノコッチ、グライガー、ハリーセン、ツボツボ、ヘラクロス、ニューラ、サニーゴ、デリバード
マンタイン、エアームド、オドシシ、ドーブル、ミルタンク
21体の無進化ポケモンが登場するが、覚えられるのはヘラクロス、マンタイン、ミルタンクの僅か3体。
第1世代よりも12体も減少している。では何故この世代の無進化ポケモンが破壊光線を与えられなかったのか。
それは第1世代で最終進化、無進化だったポケモンが金銀で進化を手に入れたからである。
第1世代のポケモンが金銀で進化を得たのはゴルバット、イワーク、ラッキー、ストライク、ポリゴンの5体。
この5体の中でイワーク以外のポケモンが破壊光線を習得可能。
つまり、続編での進化を踏まえて無進化のポケモンは基本、破壊光線を覚える事が出来なくなった。
実際にエイパム、ヤンヤンマ、ヤミカラス、ムウマ、グライガー、ニューラの6体は続編で進化を得た。

ノズパス、ヤミラミ、クチート、プラスル、マイナン、バルビート、イルミーゼ、ロゼリア
コータス、パッチール、ハブネーク、ザングース、ルナトーン、ソルロック、ポワルン、カクレオン
トロピウス、チリーン、アブソル、ジーランス、ラブカス
第3世代では21体の無進化ポケモンが登場する。
その中でクチート、コータス、ルナトーン、ソルロック、トロピウス、アブソル、ジーランスの7体が習得可能。

パチリス、ペラップ、ミカルゲ、マスキッパ、ロトム
第4世代では無進化が大幅に減り5体に。その中でミカルゲとマスキッパのみ習得可能。
また、この世代で物理版破壊光線であるギガインパクトが登場。
基本的に破壊光線を覚えられるポケモンはギガインパクトも覚えられるようになった。
しかし、この世代で破壊光線を覚えないはずのオドシシがギガインパクトを習得。
破壊光線を覚えるポケモンはギガインパクトも覚える、という常識を逸した初めてのポケモンである。
一応ハクリューやナックラーのような進化前のポケモンは破壊光線をレベルアップで覚えられる。
このような進化前のポケモンでも技マシンでも破壊光線は覚えられるが、ギガインパクトは覚えられない。
そして第5世代。無進化ポケモンに大きな革命が訪れる事になる。

新たなる無進化ポケモンの型


2010年、無進化ポケモンに大きな革命が訪れた。
タブンネ、ナゲキ、ダゲキ、バスラオ、マラカッチ、シンボラー、エモンガ、ママンボウ
フリージオ、マッギョ、クリムガン、バッフロン、クイタラン、アイアント
第5世代の無進化ポケモンの数は14体と前作の3倍近くも上昇。
しかし、破壊光線とギガインパクトを使える無進化ポケモンはクリムガン1体のみ。
では何故第5世代に入って双方覚えられるポケモンが激減したのか?
それは、破壊光線のみ覚える無進化とギガインパクトのみ覚える無進化が現れたのだ。
実際、破壊光線のみ覚えられるポケモンはタブンネ、フリージオ、シンボラーの3体。
ギガインパクトのみ覚えられるポケモンはナゲキ、ダゲキ、バッフロン、クイタラン、アイアントの5体。
逆にバスラオ、マラカッチ、エモンガ、ママンボウ、マッギョはどちらも覚えられない。
そう、第4世代でのオドシシと同じ型の無進化ポケモンが第5世代で台頭し始めたのだ。
ここではギガインパクトのみ覚えられる無進化はA型と呼び、破壊光線のみ覚えられる無進化をB型と呼ぶことにする。
また、これらの型の無進化ポケモンは第6世代でも台頭することになる。
第6世代初登場のポケモンはトリミアン、デデンネ、ルチャブル、メレシー、クレッフィの5体。
その中でトリミアン、デデンネ、ルチャブルはA型に当てはまる。
この5体の中でどちらも覚えられるのは第5世代のクリムガン同様にクレッフィの1体のみ。
そして第7世代。無進化ポケモン達の戦乱に新たな衝撃が走る。

そして、荒れる第7世代


2016年11月。満を持して発売されたポケットモンスター サン・ムーン。
今作に登場する無進化ポケモンは全部で14体。
オドリドリ、ヨワシ、キュワワー、ヤレユータン、ナゲツケサル、ナマコブシ、メテノ
ネッコアラ、バクガメス、トゲデマル、ミミッキュ、ハギギシリ、ジジーロン、ダダリン
その中でどちらも覚えられないポケモンはオドリドリ、ヨワシ、ネッコアラ、ナマコブシの4体。
特にナマコブシは技マシンで技を覚えられるが攻撃技は一切覚えられない。
A型はヤレユータン、トゲデマル、ハギギシリの3体。B型はミミッキュとキュワワーのみ。
破壊光線とギガインパクトをどちらも覚えられるのはメテノ、ナゲツケサル、バクガメス、ジジーロン、ダダリンの5体。
どちらも覚えられるポケモンは5体に増えたが、第3世代の7体には及ばず。
更にどちらも覚えて当然の準伝説ポケモンにも覚えられないポケモンが登場した。
ウツロイド、マッシブーン、カミツルギの3体、いずれもウルトラビーストである。
その内マッシブーンとカミツルギはA型、ウツロイドはどちらも覚えられない。
ちなみにタイプ:ヌルは進化前のポケモンであるがギガインパクトを習得できる。破壊光線は覚えないが。

しかし、第7世代にて破壊光線とギガインパクトを使える無進化勢の戦乱に大きな異変が訪れる。
破壊光線とギガインパクト、どちらも覚えられない最終進化ポケモンが本格的に参戦した。
今までの最終進化系のポケモンは一部を除いてどちらも覚えて当然の絶対的鉄則だった。
その常識がサン・ムーンにて遂に破られたのだ。覚えられないポケモンは以下の通り。
ドデカバシ、デカグース、アブリボン、ルガルガン、ドヒドイデ、オニシズクモ、エンニュート
この7体が破壊光線とギガインパクトを覚えない最終進化ポケモンである。
一応最終進化であるウソッキー、チリーン、サワムラー、エビワラー、カポエラーも覚えることができない。
…と言っても元々は無進化ポケモンだったが。純粋な最終進化としてはこれが初めて。
当然ギガインパクトしか覚えられない最終進化ポケモンも存在する。該当するのは以下の通り。
ジュナイパー、アシレーヌ、ケケンカニ、バンバドロ、マシェード、アマージョ、グソクムシャ、シロデスナ
なんと8体も登場。特に御三家であるジュナイパーとアシレーヌが覚えられないことには衝撃を受ける。
第5世代にて無進化勢に現れた型が、遂に最終進化ポケモンにも現れ始めたのだ。
逆にどちらも覚える最終進化はガオガエン、クワガノン、ラランテス、キテルグマ、ジャラランガ、シルヴァディの6体。
一応リージョンフォルム勢は原種と合わせる為か全員習得可能。ちなみにB型に該当する最終進化は該当なし。
20年にも及ぶ最終進化の特権が、漸く終焉を迎えようとしている。
この傾向から、今後発売されるであろう次回作にもこの型の最終進化ポケモンが登場するだろう。

元最終進化系が扱える理由


最終進化系と一部の無進化ポケモンだけが破壊光線とギガインパクトを扱える訳ではない。
実はゴルバットやサマヨールのような後から進化系が出来たポケモンも覚えられるのだ。
ここで、続編で進化系が登場した元最終進化系のポケモンを列挙する。
ゴルバット、レアコイル、サイドン、シードラ、トゲチック、イノムー、ポリゴン2、サマヨール
これらのポケモンは破壊光線とギガインパクト両方とも覚えられるのだ。
つまり、これらの技を扱えるのは一部の無進化と最終進化系、そして元最終進化系のポケモンなのだ。
要訳すると破壊光線とギガインパクトを覚える事は「最終進化系だった」という証拠である。
元無進化のポケモンもこれと同様である。ここで、元無進化であり破壊光線を覚えるポケモンを列挙する。
ベロリンガ、ラッキー、モンジャラ、ストライク、エレブー、ブーバー、ポリゴン
表のとおり、元無進化であり破壊光線を覚えることが出来るポケモンは全て第1世代出身である。
つまり、第2世代以降は進化系が将来出ると考慮し、無進化は基本、破壊光線を覚えられなくなる。

そこで、どちらも覚えられない無進化ポケモンの中で続編で進化を手にしたポケモンを挙げる。
イワーク、エイパム、ヤンヤンマ、ヤミカラス、ムウマ、グライガー、ニューラ、ノズパス、ロゼリア
このように、これらのポケモンは続編で新たな進化系を得ている。勿論破壊光線もギガインパクトも覚える。
要するに続編でデリバードやカモネギ等、恵まれないポケモンが進化する可能性があるということだ。
逆に、ケンタロスやクリムガン等のどちらも覚えられるポケモンは進化しないと考えてもよい。

無進化ポケモンのメガシンカ


第6世代に入り、新たな進化が登場した。メガシンカである。
メガシンカの詳細はこちらを参照して貰いたい。

ここで、無進化の中でメガシンカが出来るポケモンを列挙してみる。
ガルーラ、カイロス、プテラ、ミュウツー、ヘラクロス、クチート、アブソル
これらの7体の共通点は破壊光線とギガインパクト、どちらも扱うことが出来るポケモンである。
というよりもメガシンカできるポケモンは全て上記の技をどちらも使う事が出来るが。
このようにメガシンカの条件として破壊光線とギガインパクトを覚えられることが前提になっている。
更に調べると、2012年6月以降に商標登録されたポケモンの多くがメガシンカに対応していることが判明。
その中でメガシンカが確認されなかったポケモンはこちら。
ルージュラ、ラティアス、ラティオス、カイオーガ、ジュカイン、グラードン、プラスル、マイナン、レックウザ
詳しく見るとルージュラ以外は第3世代のポケモンであり、いずれも人気のあるポケモンである。
この中で伝説を除いた無進化ポケモンはプラスルとマイナンのみである。
これらのポケモンはオメガルビー・アルファサファイアでメガシンカする可能性があると考えてもよいだろう。
(6/12追記:オメガルビー・アルファサファイアでヤミラミのメガシンカが確認されました)
(更に追記:ラティアス、ラティオス、グラードン、カイオーガ、レックウザ、ジュカインもメガシンカが確認されました)


種族値から見る破壊光線とギガインパクトの習得


ここで無進化ポケモンが破壊光線とギガインパクトを与えられる基準を調べてみる。
今回は伝説級を除いた元無進化を含む全ての無進化ポケモンの種族値を調べる。
どちらも覚えられない型は白、A型は青、B型は緑、どちらも覚える型は赤で表記。
技マシンを使えないソーナンス、アンノーン、メタモン、ドーブルは除外。
NAMEHP攻撃防御特攻特防素早合計
ヨワシ(群れ)4514013014013530620
カビゴン160110656511030540
ラプラス1308580859560535
ロトム(FC)506510710510786520
ダダリン70131100869040517
プテラ80105656075130515
フリージオ80505095135105515
ツボツボ201023010230505
ストライク70110805580105500
カイロス65125100557085500
ヘラクロス8012575409585500
ルチャブル7892757463118500
メテノ(核)601006010060120500
メレシー50501505015050500
ブーバー6595571008593495
ガルーラ1059580408090490
エレブー6583579585105490
ケンタロス75100954070110490
ミルタンク95801054075100490
シンボラー7258801038097490
バッフロン9511095409555490
ヤレユータン9060809011060490
ナゲツケサル10012090406080490
マンタイン8540708014070485
ジーランス10090130456555485
ミカルゲ50921089210835485
クリムガン7712090609048485
キュワワー51529082110100485
バクガメス6078135918536485
ジジーロン7860851359136485
クイタラン8597661056665484
アイアント581091124848109484
ネッコアラ6511565759565480
オドリドリ757070987093476
ミミッキュ5590805010596476
ハギギシリ6810570707092475
トリミアン7580606590102472
マッギョ1096684819932471
コータス7085140857020470
ママンボウ1657580404565470
クレッフィ578091808775470
エアームド6580140407070465
オドシシ739562856585465
アブソル6513060756075465
ナゲキ12010085308545465
ダゲキ7512575307585465
マラカッチ7586671066760461
バリヤード40456510012090460
ルナトーン905565958570460
ソルロック909585556570460
トロピウス996883728751460
バスラオ709265805598460
ザングース7311560606090458
ハブネーク73100601006065458
サワムラー50120533511087455
エビワラー50105793511076455
キリンリキ708065906585455
チリーン755080959065455
マスキッパ7410072907246454
ラッキー2503510550450
ルージュラ6550351159595450
タブンネ1036086608650445
ハリーセン659585555585440
カクレオン6090706012040440
ロトム505077957791440
メテノ(流星)60601006010060440
モンジャラ65551151004060435
ムウマ606060858585435
トゲデマル659863407396435
デデンネ6758578167101431
グライガー6575105356585430
ニューラ5595553575115430
エモンガ5575607560103428
バルビート657375478585420
イルミーゼ654775738585420
ポワルン707070707070420
ノコッチ1007070656545415
ペラップ766545924291411
ウソッキー70100115306530410
サニーゴ655595659535410
ナマコブシ556013030130410
ヤミカラス608542854291405
プラスル605040857595405
マイナン604050758595405
パチリス604570459095405
ロゼリア5060451008065400
ポリゴン656070857540395
ヤンヤンマ656545754595390
イワーク3545160304570385
ベロリンガ905575607530385
ヤミラミ507575656550380
クチート508585555550380
カモネギ529055586260377
ノズパス3045135459030375
エイパム557055405585360
パッチール606060606060360
デリバード455545654575330
ラブカス433055406597330
ヨワシ(単独)452020252540175

タイプ最高最小平均種族値
どちらも覚えない型620175425.647
A型500431471.312
B型515445482.2
どちらも覚える型540380474.235
以上の事からどちらも覚えない無進化ポケモンは42体。
最高種族値はヨワシ(群れ)の620。最低種族値はヨワシ(単独)の175。ヨワシで始まってヨワシで終わった。
発売前まではデリバードとラブカスの330が最低。ヨワシの強弱が垣間見える結果に。

A型は12体。オドシシ以外は第5世代と第6世代、第7世代に偏っている。
最高種族値はルチャブルの500。最低種族値はデデンネの431。

B型は5体。第5世代出身が3体。第7世代で更に2体追加。
最高種族値はフリージオの515。最低種族値はタブンネの445。
第7世代にてフリージオの種族値が上方修正され、合計種族値490のシンボラーを抜いてトップに立った。

そしてどちらも覚える無進化ポケモンは35体。
最高種族値はカビゴンの540。最低種族値はクチートの380。
伝説のポケモンを含めた場合、平均値は474.2から571.0に跳ね上がる。
※フィオネとA型に当てはまるウルトラビーストとウツロイド、メガシンカ除く。フォルムチェンジは含む

全体を見ると種族値が500を超えたポケモンの半分以上が第1世代出身であることが分かる。
種族値が500を超えているメレシーとツボツボはどちらも覚えられない。
この2体はいずれも耐久型のポケモンで、種族値が防御と特防に特化されているのが特徴である。
また、合計種族値が470以上になるとどちらも覚える・片方だけ覚えるポケモンが多く占めている。
逆に合計種族値が435以下ではどちらも覚えないポケモンが大半を占めるようになっている。
どちらも覚えるポケモンを調べるとモンジャラの435からポリゴンの395まで40もの差が開いている。
この40もの差の間に続編で進化を手に入れたポケモンが多く犇めいている。
そして、合計種族値が400を下回るポケモンはポリゴン、ベロリンガ、クチートの3体である。
しかし、ベロリンガとポリゴンは続編で進化を与えられ、クチートは第6世代でメガシンカを手に入れた。
続編で進化(メガシンカ含む)を得たどちらも覚えるポケモンを除けば、最低種族値は流星の姿のメテノの440になる。
合計種族値の平均値も476.1と8近く上昇する。

また、ロトムはフォルムチェンジすることで種族値が80上昇し、合計種族値は520に上がる。
当然対戦で活躍するに値するだろう種族値であるが、それでも破壊光線とギガインパクトは覚えない。
そもそもフォルムチェンジは進化と違う為、使える技マシンはノーマルフォルムと共用である。
その為、ロトムがフォルムチェンジしても破壊光線を覚える事は出来ない。
同様に第7世代で追加されたヨワシも破壊光線とギガインパクトを覚えることはできない。
つまり、フォルムチェンジは覚える技の変わらない進化のようなものであると言いたい。
要訳するとロトムは無進化であり、進化するポケモンである。
一応フォルムチェンジすればその憑依先に因んだ技を覚えられるが。
なので、どちらも覚えられないポケモンにおいて実質最高種族値はツボツボの505とも言えよう。

次に、第5世代から台頭し始めたA型とB型について調べてみる。
表を見るとこれら2つの型は種族値465〜500に偏っている。
どちらも覚えられるポケモンより数は少ないが、平均種族値はそれらにも劣らない。
つまりA型とB型のポケモンは、実質はどちらも覚えるポケモンと大して変わらないと言えよう。


無進化ポケモンの価値とは


先程の種族値表を調べて、第5世代以降の無進化ポケモンの殆どが上位を占めていることが分かる。
つまり、20年に及ぶポケモンの歴史の中で、無進化ポケモンにおける価値観が変わったのである。
第5世代以降、破壊光線またはギガインパクトを習得できる無進化ポケモンが大量に追加されている。
初代の頃はケンタロスの破壊光線が猛威を奮っていた。当時は相手さえ倒せば反動は受けることはなかった。
第2世代、第3世代ではそれぞれ21体の無進化ポケモンが登場した。
しかし、対戦で有用なポケモンは一握りしかいなかった。第4世代でも使えるポケモンは少なかった。
だが、第5世代に入ると高い種族値を持つ無進化ポケモンが多く登場した。
特にクレッフィやミミッキュを筆頭とした強力な無進化ポケモンが台頭するようになった。
更に、メガシンカの登場によりガルーラやクチート等が強化。特にガルーラはガルモンと揶揄される程強化された。
これらの飛躍ぶりから見ると、無進化ポケモンはもう進化する必要が無いと言う結論が出た。
実際、既存のポケモンの進化は第5世代以降追加されていない。XYでイーブイがニンフィアに進化した程度である。
SMでは無進化ポケモンの種族値の修正が施され、サニーゴやハリーセン、フリージオ等が強化されている。
更に破壊光線、ギガインパクトを習得する無進化の増加も相まって無進化の価値観が見直された。
要約すれば初代の無進化ポケモンに原点回帰したと考えても良い。これが現在の無進化ポケモンの現状である。
但し、ラブカスやデリバードを筆頭とした低種族値の無進化ポケモンには進化の可能性が残されているかもしれない。