剣盾化石ポケモン調査論文



研究員1号よ、ちと聞きたいことがある。剣盾には色々な新ポケモンが登場しておる。
その中で秀逸だと思うておるポケモンを教えて欲しいのじゃ。
例えば……、ターン毎にフォルムチェンジするモルペコとかのう。



ガラルちほうの ポケモンも こせいのある ポケモンばかりですね。
たとえば…… いもむしだとおもったら ぜんぜんちがった タイレーツ。
ダブルバトルで みたかのわざのいりょくを そこあげしてくれる イシヘンジン。
ステルスきを いしきした ドラパルトに しんかほうほうの わかりにくい ネギガナイト。
りんごだとおもってたら ドラゴンタイプの カジッチュも あじがありますね。
ガラルちほうの ポケモンは イギリスのようそが これでもかと ちりばめられてます。
チャップリンを いしきした コメディアンポケモンの バリコオルも そうですよね。



確かにガラルの新ポケモンはイギリスらしい要素ばかりじゃ。
其方の言っておるイシヘンジンもストーンヘンジが元になっておる。これはイギリスに存在するぞよ。
ワンパチのモチーフになっておるコーギー犬もイギリス原産じゃな。
ヒバニーの系列もサッカー選手を意識しておる。イギリスではサッカーも大人気じゃ。
インテレオンもシャーロックホームズと言った探偵やガンマンらしい風格じゃ。
イギリスと言えば騎士の国じゃ。タイレーツやネギガナイトもその通りじゃ。
更にヤバチャ、ポットデスも紅茶発祥の地、イギリスならではのポケモンじゃな。
この他にも色々イギリス要素が散りばめられておるがここは省略じゃ。



こ…… こんなに イギリスのようそが あるのですか!?
そういえば アローラのちほうも なんごくをいしきした ポケモンが たくさんいますよね。
ナマコブシに オドリドリ ハギギシリ ドデカバシ アマカジ アブリー………



……もう良かろう。其方のポケモン雑談はとにかく長すぎる。
さて、ここで本題じゃ。これが今回の議題になっておる新ポケモンじゃ。此奴らを見てどう思うかのう?





これは…… だい8せだいの かせきポケモンですね。
パッチラゴンに パッチルドン ウオノラゴン ウオチルドン……
かせきから ふくげんされる ポケモンも シリーズの だいごみですからね。
アローラちほうには とうじょうしなかったのが ざんねんです。
……って よくみたら なんですか このすがたかたちは!!
パッチラゴンと パッチルドンは からだのバランスが つりあってないですか!
ウオノラゴンに たいしては しっぽのさきに あたまが!
それに ウオチルドンの あたまも うわむきじゃないですか!!



その通りじゃ。此奴らは上半身と下半身が別のパーツになっておる。
ガラル地方では2つの異なる化石を結合させて復元する仕組みじゃ。
化石の鳥と化石の竜を組み合わせばパッチラゴン、魚と首長ならウオチルドン。
鳥と首長でパッチルドン、魚と竜ならウオノラゴンに復元されるみたいじゃ。
どうやら復元に失敗して創造られたみたいじゃのう。
ちなみに元になった古代生物は鳥がアーカエオラプトルで魚はダンクルオステウスと思われるのう。
下半身は竜がステゴサウルス、首長はエラスモサウルスかのう?



たしかに かわいそうですよね。こんなすがたになっても いきているなんて……。
ほんらいのすがたには もどせないのですかね。



残念じゃがもう片方のパーツになる化石がガラル地方では見つからんのじゃ。
其方の言う通り、どう足掻いても本来の姿で復元は出来ないのじゃ。
嘆いても先には進まんぞよ。此奴らの研究こそが妾と其方の使命なのじゃ。
まずは姿とタイプから見てみようかのう。化石の鳥の部分が電気タイプみたいじゃ。
化石の竜の部分がドラゴンで魚は水タイプ、首長が氷タイプじゃな。
これらを組み合わせて複合タイプになっておる。姿だけで分かるじゃろう。
今までの化石ポケモンと違って岩タイプがついておらんのも分かるじゃろう。



もしも かんぜんに ふくげんできていれば かせきのとりは でんき/ひこうですね。
くびなががこおりで りゅうはドラゴン さかなはみずタイプだけになりそうです。



次は特性を調べるぞよ。パッチラゴンは蓄電と張り切りじゃ。
パッチルドンは蓄電と静電気、ウオノラゴンは貯水と頑丈顎、ウオチルドンが貯水とアイスボディみたいじゃ。
見事に特性がバラバラじゃがタイプから整理すれば分かるじゃろう。
鳥の部分が蓄電と静電気、竜の部分に張り切り、魚は貯水と頑丈顎、首長がアイスボディじゃな。
隠れ特性はパッチラゴンとウオノラゴンは砂掻きでパッチルドンとウオチルドンが雪掻きじゃ。
隠れ特性の部分は下半身が担当しておる。特性から見ると竜の部分が地面/ドラゴンかもしれん。

次に種族値じゃ。本来見えない値も暴かねば謎は解明できん議題じゃ。
  • パッチラゴン 90/100/90/80/70/75
  • パッチルドン 90/100/90/90/80/55
  • ウオノラゴン 90/90/100/70/80/75
  • ウオチルドン 90/90/100/80/90/55



    いがいと たかい しゅぞくちですね。ごうけいが505で とういつされているのは さっしのとおり。
    HPは4ひきとも 90でこていされているのは わたしでもわかります。
    それでも プテラのしゅぞくちには すこしだけですが まけていますけど。



    ここからは漢字じゃないと伝わりにくい部分じゃ。其方に代わって妾が説明するぞよ。
    まずは攻撃の値じゃ。鳥が100で魚は90みたいじゃ。防御の値は鳥が90、魚が100じゃ。
    素早さは下半身の部分じゃ。竜が75で首長が55と分かりやすいのう。
    特攻と特防は複雑じゃ。ここだけはどこを推定すればいいのか妾にはよく分からん。
    数学はちと苦手じゃが唯一分かるのが合計種族値が同じになると言うことだけじゃ。
    HP値もいずれも90で統一されておる所為でどの部分の該当かも分からん。
    種族値がリンクしておるならHPの値は多分竜と首長の担当じゃな。
    ここで本来の姿の種族値を推定していくぞよ。特攻と特防はよく分からんから平均で推測じゃ。
  • 化石の鳥 ??/100/90/75/75/??
  • 化石の魚 ??/100/90/85/85/??
  • 化石の竜 90/??/??/75/75/75
  • 化石首長 90/??/??/85/85/55



    やっぱり ほんらいのすがたの しゅぞくちは わからないですね。
    わかるところでも ごうけいすれば とりは340 さかなは360 りゅうとくびながは315になります。
    もうすこし データがあれば バラバラでも すいていはできるのですが……。



    ……取り敢えずここはスルーじゃのう。次は此奴らの生態系と絶滅の理由について考えるぞよ。
    まずは図鑑の説明文から見てみようかのう。

  • パッチラゴン
    ソード:
    古代では たくましい 下半身で
    無敵だったが 餌の 植物を
    食べつくしてしまい 絶滅した。

    シールド:
    しっぽの たくましい 筋肉で
    発電する。 下半身に くらべ
    上半身が 小さすぎる。

  • パッチルドン
    ソード:
    氷漬けの 上半身が
    震えると 電気が つくられる。
    歩くことが 非常に 苦手。

    シールド:
    古代の 海辺で 暮らし 餌を
    体の 氷で 保存できたが
    動きが 鈍いため 絶滅した。

  • ウオノラゴン
    ソード:
    ずば抜けた 脚力と 顎の
    力で 古代では 無敵だったが
    獲物を 狩りつくし 絶滅した。

    シールド:
    時速60キロを 超える 自慢の
    脚力で 走れるが
    水中でしか 呼吸できない。

  • ウオチルドン
    ソード:
    周囲を 凍らせて 獲物を
    捕まえるが 口が 頭の
    上に あるので 食べづらい。

    シールド:
    どんな 攻撃にも 傷つかない
    面の皮を もつが 呼吸が
    不自由だったため 絶滅した。




    なんですか このせいたいけいは……。 ぜつめつのりゆうも ざんこくすぎて とてもかなしいです。
    そもそも じょうはんしんと かはんしんの とくちょうが まったく かみあっていないですか!
    こんなポケモンが こだいに せいそくしてたなんて おもいもよりません。



    図鑑の説明を見れば此奴らは本当に古代で生息しておるみたいじゃ。
    とりあえず図鑑の説明文を纏めて生態系を改めて説明するぞよ。
    パッチラゴンは尻尾の筋肉で発電して力を蓄えるそうじゃ。火力の高さも伺えるのう。
    古代では下半身のお陰で無敵を誇っておったが餌の植物を食べつくして絶滅したそうじゃ。
    植物を食べておったという説明文から見て意外と草食系であることが分かるぞよ。

    パッチルドンは歩行が苦手じゃが、下半身の冷たさを利用して発電して力を蓄えるぞよ。
    海辺に生息しておるみたいじゃが動きの遅さが仇になって絶滅したそうじゃ。
    体の冷たさを利用して餌を保存しておるが果たしてこれが植物か動物かは分からんのう。

    ウオノラゴンは陸上では速く走れるが水中でしか呼吸ができん欠点があるのう。
    顎の力の強さと時速60キロを超える脚力を利用して古代の覇者と言われておった。
    パッチラゴン同様に獲物を狩り尽くして絶滅したそうじゃ。獲物は植物じゃろうか?

    ウオチルドンは獲物を凍らせて捕食するが口が頭の上にあって食事が不自由じゃ。
    見た目からして水中に生息しておるようじゃ。頭部が盾となって敵からの攻撃を防ぐぞよ。
    口が頭部にある所為か呼吸が不自由じゃ。獲物を喉に詰まらせたかは分からんがこれで絶滅したそうじゃ。

    これが此奴らの生態系じゃ。種族値が生態系に反映されておるのも分かるじゃろう。
    じゃが、ここまで判明しても此奴らの生態系はまだ謎に包まれたままじゃ。
    これが本来の姿なのか誤った復元で生まれたのか。将又此奴らが本当に古代に生息しておったのか。
    ポケモン自体の生態系もまだまだ謎だらけじゃ。ポケモンの生態は奥が深いのう。



    そういえば いままでの かせきポケモンの ぜつめつりゆうも まとめてみました。
    プテラは そらのおうじゃと いわれていましたが いんせきのらっかで ぜつめつしたみたいですね。
    オムスターは からのおおきさと おもさが あだになって エサがとれずに ぜつめつしました。
    ざんねんながら ぜつめつりゆうがわかるのは この2ひきだけです。
    たしかに われわれもまだ ポケモンの せいたいけいは むちなところばっかりです。
    ほかの かせきポケモンが どのように ぜつめつしたかも まだわかりません。



    確かにそうじゃ。ポケモンに詳しい妾でもまだ知らない所もあるぞよ。
    例えばポケモンのタマゴがどのように出来るのかやスターミーの地元とかのう。

    ……そう言えば此奴らにはもう一つ大きな特徴があるみたいじゃ。
    答えは……、「性別が不明」と言うことじゃ!!



    た…… たしかに! いままでの かせきポケモンには せいべつがありましたね。
    それが このポケモンたちには せいべつが わりふられてないなんて!!
    よく きがつきましたね。それに このポケモンの タマゴをつくることも できません。
    タマゴグループが みはっけんなのも なにか りゆうがありそうですね。
    もしかしたら このポケモンたちは……。



    少なくとも古代の準伝説ポケモンではなかろう。そもそも古代では何匹かは生息しておる。
    異なる化石を組み合わせて作られた結果がこれかもしれん。
    アンバランスな姿だけでなく性別すら奪われるとはあまりにも悲しいのう。
    更に言えばマックスレイドバトルでは御三家同様に此奴らも出てこないみたいじゃ。
    どうやら御三家と化石ポケモンだけは一般のポケモンと違って特別扱いされておるみたいじゃ。
    実は此奴らにもイギリスの要素が含まれておるそうじゃ。何だか分かるかのう?



    えっ……! まさか このポケモンたちにも イギリスとの かんれんがあるのですか!?
    たしかに きょうりゅうは こだいのイギリスにも せいそくしていましたけど。
    いったいどこに イギリスの ようそが あるのですか?!



    どうやら其方はポケモンに詳しくても本来の恐竜については無知みたいじゃな。
    イギリスにはジュラシックコーストと呼ばれる化石発掘地があるみたいじゃ。
    人類が初めて恐竜の化石が完全な姿で発掘された場所もイギリスとも言われておる。
    考古学や恐竜学においてイギリスはかなり優位な立場にあるみたいじゃな。
    それとに此奴らの卵となる化石のモチーフにもある共通点があるようじゃな。
    此奴らの元となった古代生物はいずれも復元において何かの議論になっておった、という点じゃ!
    化石の鳥の元となったアーカエオラプトルは他の化石と誤った組み合わせで復元されて議論になっておる。
    所謂「合成化石」じゃな。これが剣盾の化石ポケモンの元ネタになっておる。
    詳しくはここを参照じゃ!
    化石の魚の元になったダンクルオステウスは頭部しか発見されておらんそうじゃ。
    化石の首長の元になったエラスモサウルスは尻尾の部分を間違えて復元されたみたいじゃのう。
    化石の竜の元になったステゴサウルスも同様にパーツの向きの取り違えで復元されておる。



    まさか こんなもとネタにも イギリスのようそがあるなんて……。
    ポケモンにくわしい わたしでも まだまだしらないことが おおすぎる!
    そして、ほかのちほうでは どんなポケモンがでるのか たのしみですね。



    若しかすると9世代目かDPリメイクか冠の雪原で此奴らの本来の姿が出るかもしれんのう。
    そうじゃ、冠の雪原では此奴等以外の化石ポケモンが野生で棲息しておるそうじゃ。



    な…… なんだってーーっ!!
    ぜつめつしたはずの かせきポケモンが やせいで せいそくしているなんて……!!
    それも とうじのすがたのままで……!! ガラルちほう おそるべし……!!!



    とは言え図鑑の説明に記されておる設定はゲームの中では殆ど活かされておらんがのう。
    冠の雪原に棲息しておるのは化石から復元した後に逃がされた個体が繁殖したのじゃろうな。
    まさか絶滅した筈のポケモンが野生で普通に闊歩しておるのは妾にも予想できなかったがのう。
    ポケモンの世界は奥が深いのう。妾の予想を大きく覆すような事実が幾らでも浮かび上がってくるからのう。